研究テーマ

 

 海産硬骨魚類の多くは体外受精によって繁殖しています。例えばチョウチョウウオの仲間は雌雄が中層で放卵・放精し,受精卵は数日間海の中を漂流します。孵化した仔魚はさらに数週間浮遊生活を送りながら変態し,稚魚期に達する頃になると沿岸の生息域に着底します。着底した稚魚は地域個体群に加入して成長・成熟し,繁殖を行うようになります(図右)。

 このような魚類の生活史の中で,次世代を残す重要な繁殖に注目し,「戦略」,「進化」,「多様性」の3つの視点からフィールド観察を主体とする生態学的研究を行ってきました。また「地球温暖化」の視点から,繁殖の長期変動に関する研究も行っています。